一目均衡表の三大理論に、時間論・波動論・値幅観測論の3つの理論があります。
中でも値幅観測論は相場分析をする際に重要で、未来の値幅がどこまで伸びるのかを予測できます。
しかし初心者の方は値幅観測論って何?どうやって計算値を導けばいいのかわからない?どこの値幅を基準として見ていけばいいのかわからない?という疑問が出てくると思います。
ここでは、値幅観測論の計算値をチャート上に表示させる方法、基準値幅の見つけ方を詳しく解説していきます。
値幅観測論とは?
過去の値幅から計算をし、未来の値幅がどこまで伸びるのかを予測する理論です。
値幅観測論には、「N計算値・ E計算値 ・ V計算値 ・ NT計算値」の4つの代表的な計算方法があります。
値幅観測論の計算方法
N計算値とは
N計算値は、①の値幅と③の値幅は同じ値幅が出るという計算方法です。
①が出た後②の調整が入り、その後①と同じ値幅で③が出ると予測されます。
E計算値とは
E計算値は、①の値幅に対し③の値幅は2倍の値幅が出るという計算方法です。
①が出た後②の調整が入り、①の高安をブレイクした後の③の値幅が①と同じ値幅と予測されます。
V計算値とは
V計算値は、②の調整の値幅に対し③の値幅は2倍の値幅が出るという計算方法です。
①が出た後②の調整が入り、①の高安をブレイクした後の③の値幅が②と同じ値幅と予測されます。
NT計算値とは
NT計算値は、①の値幅から②の調整の値幅を引いた値幅が③の値幅に出るという計算方法です。
①が出た後②の調整が入り、①から②を引いた値幅が③に出ると予測されます。
基準値幅の見つけ方
値幅観測論の計算値を使い未来の値幅がどこまで伸びるのかを予測するには、過去の値幅から基準となる値幅を決めて、その基準値幅に対しての計算値を予測していきます。
- 「ZigZag」を表示させる‼
- 波の起点を見つける‼
「ZigZag」を表示させる
基準値幅を見つけやすくするには、チャート上に「ZigZag」を表示させておくと波が視覚的にわかりやすくなるので、基準値幅を見つけやすくなります。
「ZigZag」は波の高値と安値を自動的にラインで結んでくれるインジケーターです。
MT4にデフォルトで入ってインジケーターなのでぜひ活用してみて下さい。
波の起点を見つける
基準値幅は、波の起点から取ることが重要です。
波の起点を見つけて起点から出ている最初の波を基準値幅とします。
中途半端な所から出ている波を基準値幅にすると、自分が予測していた値幅に到達しなかったり、到達したときに反発せずにサラッと抜けて行く可能性が高くなるので注意が必要です。。
N計算値・ E計算値 ・ V計算値の導き方
値幅観測論を使うときには、それぞれの計算値が視覚的にわかりやすいように、チャート上に計算値を表示させておく必要があります。
ここではそれぞれの計算値を視覚的にわかりやすくするために、計算値をチャート上に表示させる方法を解説していきます。
- ボックスを使って計算値をチャート上に表示させる‼
- フィボナッチリトレースメントを使って計算値をチャート上に表示させる‼
- フィボナッチエクスパンションを使って計算値をチャート上に表示させる‼
ボックスを使う方法
ボックスを使って計算値を導く方法です。
基準値幅を見つけて、その値幅の高値と安値に合わせてボックスを作ります。
値幅観測論の計算値に沿ってそのボックスを表示さていきます。
ボックスを使って計算値を表示させると、ボックスに対してのサポレジ転換・レジサポ転換やロウソク足や移動平均線との位置関係が視覚的にもわかりやすくなります。
ボックスを使ってN計算値を導く方法
- 基準値幅の高値と安値をボックスで囲います。
- 戻りの終点にボックスをあてるとN計算値を導くことができます。
ボックスを使ってE計算値を導く方法
- 基準値幅の高値と安値をボックスで囲います。
- ボックスを下に重ねて表示させるとE計算値を導くことができます。
上のチャート画像を見て分かるように実際のチャートではすんなりE計算値にたどり着くのではなく、ボックスを境に反発を繰り返しながらE計算値にたどり着くこともよくあります。
ボックスを使ってV計算値を導く方法。
- 調整の戻り値幅の高値と安値をボックスで囲います。
- ボックスを下に重ねて表示させるとV計算値を導くことができます。
実際のチャートではボックスを境に反発を繰り返しながらV計算値にたどり着いているのがわかると思います。
チャート上にボックスを表示させる方法がわからない方はこちらで解説しています。
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フィボナッチリトレースメントを使う方法
フィボナッチリトレースメントを使って計算値を導く方法です。
基準値幅にフィボナッチリトレースメントを引き、調整の押し戻りがどこまで入るのかを確認することで、その後の値幅がどこまで出るのかを予測することができます。
下の図がフィボナッチリトレースメントの押し戻りに対して、N計算値・V計算値・E計算値が来る数値です。
押し戻りが「38.2」の場合
- 基準値幅が上昇の場合、安値から高値に向かってフィボナッチリトレースメントを引きます。
- 押しの数値を把握します。
- 押しが38.2付近の場合は、N計算値=161.8・V計算値=138.2・E計算値=200.0だと予測できます。
あくまでもN計算値・V計算値・E計算値の予測ができるものであって、絶対にその数値に到達するとは限りません。また絶対にその数値で反発・反転するというわけでもありません。
押し戻りが「61.8」の場合
- 基準値幅が上昇の場合、安値から高値に向かってフィボナッチリトレースメントを引きます。
- 押しの数値を把握します。
- 押しが61.8付近の場合は、N計算値=138.2・V計算値=161.8・E計算値=200.0だと予測できます。
あくまでもN計算値・V計算値・E計算値の予測ができるものであって、絶対にその数値に到達するとは限りません。また絶対にその数値で反発・反転するというわけでもありません。
押し戻りが「76.4」の場合
- 基準値幅が下降の場合、高値から安値に向かってフィボナッチリトレースメントを引きます。
- 戻りの数値を把握します。
- 戻りが76.4付近の場合は、N計算値=123.6・V計算値=176.4・E計算値=200.0だと予測できます。
あくまでもN計算値・V計算値・E計算値の予測ができるものであって、絶対にその数値に到達するとは限りません。また絶対にその数値で反発・反転するというわけでもありません。
設定方法や計算値を導くためにはどの数値を追加したらいいのかわからない?という方はこちらの記事をご覧ください。
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フィボナッチエクスパンションを使う方法
フィボナッチエクスパンションを使って計算値を導く方法です。
基準値幅にフィボナッチエクスパンションを引くと、N計算値・V計算値・E計算値の値幅がどこになるのかを予測することができます。
フィボナッチエクスパンションを使ってN計算値を導く方法
- 基準値幅が下降の場合、高値・安値・戻りの終点の3点に合わせてフィボナッチエクスパンションを引きます。
- FE100.0の地点がN計算値だと予測できます。
フィボナッチエクスパンションを使ってE計算値を導く方法
- 基準値幅が下降の場合、高値・安値の2点に合わせて3点目は垂直にしてフィボナッチエクスパンションを引きます。
- FE100.0の地点がE計算値だと予測できます。
フィボナッチエクスパンションを使ってV計算値を導く方法
- 基準値幅が下降の場合、その基準値幅の調整側の値幅にフィボナッチエクスパンションを引きます。
調整側の戻り値幅の安値・高値の2点に合わせて3点目は垂直にして引きます。 - V100の地点がV計算値だと予測できます。
このV100はデフォルトではないので、フィボナッチエクスパンションでV計算値を導くには追加での数値設定が必要です。
フィボナッチエクスパンションの設定方法がわからない?という方はこちらをご覧ください。
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まとめ
値幅観測論は過去の値幅から未来の値幅を予測することができるとても優秀な分析方法です。
計算値を導く方法は複数あるので、実際に検証してみて自分の好みで選びましょう。
起点から波を取る検証を行い、自分の中での基準値幅を見つけるときの定義を決めておくとよいです。
基準値幅が未来にどう影響してくるのかを検証してみてもおもしろいですよ。