移動平均線を使った分析方法に「ゴールデンクロス」・「デッドクロス」があります。
相場の転換サインを見極める判断材料の1つとして活用できます。
ここではゴールデンクロス・デッドクロスの見方や使う際の注意点を詳しく解説していきます。
ゴールデンクロスとは
ゴールデンクロスとは、短期の移動平均線が中期や長期の移動平均線を下から上に抜けクロスした状態のことです。
上昇に転換しつつあるということを示すサインで、買いのシグナルとなります。
また、売りのポジションを持っている場合には、決済するべきタイミングとも考えられます。
デッドクロスとは
デッドクロスとは、短期の移動平均線が中期や長期の移動平均線を上から下に抜けクロスした状態のことです。
下降に転換しつつあるということを示すサインで、売りのシグナルとなります。
また、買いのポジションを持っている場合には、決済するべきタイミングとも考えられます。
ゴールデンクロス・デッドクロスを使う際の注意点
ゴールデンクロス・デッドクロスは、初心者の方でも見つけやすく使いやすいシグナルです。
しかし、使う際には弱点や注意点があるのでしっかりと理解し活用することが重要です。
- レンジ相場に注意‼
- クロスしたタイミングがエントリータイミングではない‼
- ゴールデンクロス・デッドクロスだけで判断しない‼
レンジ相場に注意
トレンドがはっきりしていないレンジ相場では、短期の移動平均線が中期・長期の移動平均線を行ったり来たりして何度もクロスします。
そのためゴールデンクロス・デッドクロスがよく現れますが、だましになる可能性が高くなります。
ゴールデンクロス・デッドクロスを使う際にはレンジ相場を見極めて活用しましょう。
クロスしたタイミングがエントリータイミングではない
移動平均線の性質上、まずはローソク足が先行して動き、その後に移動平均線が動きます。
ローソク足が動いた後に移動平均線が動きだし、ゴールデンクロス・デッドクロスのシグナルが発生するため、ゴールデンクロス・デッドクロスが現れるタイミングには、すでにローソク足は動き出している状態です。そのためゴールデンクロス・デッドクロスには、シグナルが出るタイミングが遅いという弱点があります。
実際の値動きと移動平均線がクロスするタイミングには遅延が生じるため、クロスしたタイミングでエントリーすると、エントリー後に押し戻りが入った場合に含み損を抱えてしまったり、損切になるか可能性も高くなるので注意が必要です。
ゴールデンクロス・デッドクロスだけで判断しない
ゴールデンクロス・デッドクロスが発生したからといって、そのシグナルだけを根拠にエントリーをしてはいけません。
どのテクニカル分析でもそうですが、何か一つだけでの分析・根拠で勝ち続けることは難しいので、水平線やトレンドラインなどのライン分析やチャートパターンその他のテクニカル指標と組み合わせて使いましょう。
ゴールデンクロス・デッドクロスに使う設定期間と特徴
移動平均線の設定期間
移動平均線は、短期・中期・長期の3つを表示して見られていることが多く、設定期間は取引スタイルや好みによって変わります。
この期間とこの期間を組み合わせたゴールデンクロス・デッドクロスが、ずば抜けて効くというものはないので、それぞれの特徴を理解し取引スタイルや好みで使ってみて下さい。
下記の期間がよく使われている移動平均線の期間です。
長期 | 100・200 |
中期 | 25・50・75・100 |
短期 | 5・10・15・20・25 |
期間によっての特徴
移動平均線の設定期間が短いほど、わずかな値動きの変動で移動平均線は敏感に動きます。
そのためゴールデンクロス・デッドクロスが発生する回数は増えますが、だましになる可能性も高くなります。
移動平均線の設定期間が長いほど、値動きに対する移動平均線への反応は遅くなります。
そのためゴールデンクロス・デッドクロスが発生する回数は減りますが、だましになる可能性も低くなります。
ゴールデンクロス・デッドクロスを見る時には、移動平均線の角度やパーフェクトオーダーも一緒に見ましょう。
まとめ
ゴールデンクロス・デッドクロスは、初心者の方にも見つけやすく、視覚的にも分かりやすいテクニカル分析です。
よくゴールデンクロス・デッドクロスが発生すると売買のエントリータイミングになると解説されていることが多いのですが、ゴールデンクロス・デッドクロスが発生したからといってエントリーしているとだましにあう可能性もあるので、弱点や注意点を理解した上で検証して使うことをおすすめします。