外国為替市場は、「東京市場」・「ロンドン市場」・「ニューヨーク市場」・「オセアニア市場」の大きく4つの市場に分類されます。
各市場によって相場の特徴や傾向が違うので、トレードをする際には自分が今どの市場で取引をしているのか意識しておきましょう。
世界三大市場
「東京市場」「ロンドン市場」「ニューヨーク市場」の3つの市場が世界三大市場と言われています。
FXは市場を変えることで24時間取引が可能ですが、それぞれの市場によって特徴が変わるので市場ごとに説明していきます。
「東京市場」
日本時間の8時～16時は東京時間と呼ばれています。
東京時間は、日本やアジアの経済活動が最も活発になる時間帯です。
東京時間の相場傾向の特徴は、ニューヨーク市場やロンドン市場に比べ通貨の取引量が少ないため為替変動の幅（ボラティリティ）が小さくレンジ相場になりやすいという傾向があります。
大きなトレンドが発生しずらい時間帯です。
東京時間の9時55分に仲値が決定されます。
仲値とは、金融機関が顧客との外国為替取引を行う際に基準として使用するレートのことで毎日9時55分の為替レートを参考に決定します。
9時55分前後の値動きは活発になりやすいため注目されています。
特に仲値の影響が大きいとされているのがゴトー日です。
ゴトー日とは、「5」と「0」のつく日付のことで、毎月5日、10日、15日、20日、25日、30日がゴトー日となります。
ゴトー日は日本の輸入企業の決済日になることが多く、世界の基軸通貨であるドルでの支払いや決済をする企業が多いためドルの需要が多くなる傾向があります。
そのため、ドル高円安方向に動きやすいと言われています。
ゴトー日が土日、祝日と重なった場合には前倒しになります。
例えば10日が日曜日の場合にはその前の最後の営業日である8日の金曜日がゴトー日として扱われます。
「ロンドン市場」
夏時間では日本時間の16時～翌午前0時・冬時間では17時～翌午前1時はロンドン時間や欧州時間と呼ばれています。
ヨーロッパの各国の為替市場が開く時間帯です。
15時頃からドイツのフランクフルト市場・スイスのチューリッヒ市場・イギリスのロンドン市場などの市場が徐々開きはじめます。
ロンドン市場は、世界中の外国為替取引市場の中で最も取引量が多い市場です。
様々な国の為替市場の取引時間が重なるため、ユーロやポンド以外にもドルや円などの通貨ペアもよく取引されています。
取引が活発になるので為替変動の幅（ボラティリティ）が大きくなり相場が活発になりやすい傾向があります。
夏時間では日本時間午前0時・冬時間では午前1時にロンドンフィックス（ロンドンフィキシング）が決定されます。
ロンドンフィックスとは、東京時間の仲値に相当するもので金融機関が顧客との外国為替取引を行う際に基準として使用するレートのことです。
ロンドンフィックス前後の値動きは活発になりやすいため注目されます。
「ニューヨーク市場」
夏時間では日本時間21時～翌午前6時・冬時間は22時～翌午前7時はニューヨーク時間と呼ばれています。
ロンドン市場などと取引時間が重なり市場参加者も多く取引が活発になる時間帯です。
現地時間の午前中（日本時間21時～翌午前0時・冬時間は22時～翌午前1時）の時間帯の為替相場が特に活発に動き、トレンドが発生されやすく、現地時間の午後頃（日本時間の午前0時以降・冬時間は午前1時以降）になると相場も落ち着き値動きも穏やかになりやすい傾向があります。
重要な経済指標や主要人物の発言などはニューヨーク時間に発表されることが多く、それによって相場が大きく動かされたり急に値動きが激しくなることがあるので重要な経済指標には注意が必要です。
夏時間と冬時間
日本ではあまり馴染みがないものですが、海外では夏になると「サマータイム」が導入されています。
サマータイムとは、夏時間のことで日の出が早まる時期（3月～11月）に通常時間（冬時間）より時刻を1時間早める制度です。
冬時間から夏時間に切り替わるタイミングは、各国によって違ってきます。
また、ニュージーランドやオーストラリアなどは南半球に位置しているので、北半球と季節が逆になるため日本時間の冬時間の時には夏時間が、夏時間の時には冬時間が適用されるので「オセアニア市場」で取引をする場合には把握しておきましょう。
- アメリカの夏時間は3月の第二日曜日から11月の第一日曜日
- イギリスの夏時間は3月の最終日曜日から10月の最終日曜日
アメリカとイギリスのサマータイムの切り替わる日が違うので注意が必要です。
自分が使っている業者の取引時間を事前に確認しておきましょう。
FXに与える影響
夏時間に変わることによってFXにはどのような影響があるのかというと、為替市場の取引時間です。夏時間には冬時間よりも1時間前倒しになります。
また、最も注意したいのが経済指標が発表される時間です。
例えば、冬時間では米国の雇用統計は日本時間の22時30分に発表されますが、夏時間では21時30分になります。
経済指標の発表内容によっては相場が大きく動く可能性もあるので注意が必要です。
為替市場の特徴 まとめ
FXを行う上で、それぞれの市場の取引時間を把握しておくことは大切です。
トレードをする際には、今はどの市場が中心で動いているかを把握しトレードに活かしていきます。
また、夏時間と冬時間では経済指標が発表される時間が違うので把握しておく必要があります。
あくまでも傾向なので、全ての相場がそうなるわけではないということも理解しておきましょう。